猛暑というのが当たり前になってきた夏を乗り越えたら、2024年も残すところ90日を切ってしまっています。みなさまがたにおかれましてはいかがお過ごしでしょうか。日頃より私ども兵庫中央病院の運営にご協力いただきありがとうございます。
日本では総理大臣が交代し、アメリカの大統領も交代する、政治的に不安定な時期を迎えております。それだけでなく特に今年は元日に最大震度7を観測した能登半島地震が起き、8月には宮崎県の最大震度6弱の地震を受け気象庁が南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)を初めて発表しました。大型台風の上陸や豪雨災害も相次ぎ、自然災害発生への警戒度が高まっています。
南海トラフ地震は甚大な被害が予想されています。政府の2013年の想定によると、マグニチュード9クラスの巨大地震が起きた場合、関東から九州にかけて10メートル以上の津波が発生する可能性があります。富士山噴火などが連動する恐れもあり、長期間の経済活動の停滞やライフラインの損傷が懸念されています。東日本大震災以降、BCP(Business Continue Plan)の策定が進んでおり、既に多数の一般企業で策定済みだそうです。そのうち、能登半島地震や南海トラフ臨時情報を受けて自然災害時のBCPを「見直した」企業は31%、「見直しを検討する」企業は52%でした。当院も国立病院機構の指針に沿って、自家発電燃料の備蓄の増強や、職員の連絡網の確認、三田市の医療機関との食糧備蓄の調整などのBCPの準備を行っております。
また感染対策では、新型コロナウイルス感染が第2類から第5類に変更になって初めての予防接種を当院でも行うこととなっております。65歳以上の方や60歳以上の基礎疾患のある方に予防接種を行ってまいります。接種について詳しくはお気軽に病院スタッフにおたずねください。
病気になって初めてではなく、元気な時から当院のことを知っていただき、安心して受診してみたい、働いてみたいと思っていただけるような病院づくりをめざしてまいります。
今後も一般医療(内科、外科)の機能を兼ね備えた、セーフティーネット系医療の一翼を担う兵庫県下の中心的病院として邁進し、当院を利用される方にサイエンス・アート(科学・技と心)の医療を提供し、地域のみなさまに信頼され、期待される医療機関として、またいつ起こるかもしれない災害や感染に準備をして安心して働ける兵庫中央病院になるよう努力する所存でございます。今後ともよろしくお願いいたします。
令和6年 秋
兵庫中央病院 院長 藤原英利 |