院長ごあいさつ
院長 藤原 英利
今年は本来の梅雨らしい天候が見られましたが、気象用語では「猛暑」の上に「酷暑」まで用意されるような夏を迎えております。皆さまにおかれましては、ご健勝のこととお喜び申し上げます。また、日頃より地域連携という形で兵庫中央病院の運営にご協力いただき、心より感謝申し上げます。
7月より、県立病院と市立病院の二つの病院が統合され、西宮総合医療センターが開院いたしました。開院前の内覧会に参加する機会をいただきましたが、最新鋭の設備を備えた素晴らしい病院でした。なかでも救急部門の充実には目を見張るものがあり、重症の救急患者さんをCT撮影装置まで搬送するのではなく、CT装置自体が隣室から患者さんのもとへ移動して撮影を行い、その後元の位置へ戻って他の患者さんの検査を行うという最新の救急システムについて説明を受けました。
一方で、新しい病院の誕生の陰には、歴史ある二つの病院の閉院もありました。今回の西宮市立中央病院をはじめ、3月には公立学校共済組合近畿中央病院が診療を休止しています。阪神医療圏から「中央病院」の名を持つ病院が二つ姿を消したことになります。もちろん、合併によって加古川中央市民病院が新たに誕生しており、「中央病院」がいわゆるオワコンになったわけではありません。神戸市医療センター中央市民病院、JCHO神戸中央病院、県立リハビリテーション中央病院をはじめ、姫路市や尼崎市などにも「中央」の名を冠し、地域医療に不可欠な役割を担う病院が数多く存在しています。
私たち兵庫中央病院もその名のとおり「中央病院」を掲げ、国立病院機構発足時より、神経・筋難病、筋ジストロフィー、重症心身障がい、結核など、一般病院では治療継続が困難な疾患を対象としたセーフティーネット系医療を中心に提供してまいりました。これらの分野では、兵庫県下における専門医療の拠点病院「中央病院」として広く認知され、高い信頼をいただいているものと自負しております。また、認知症疾患医療センター、消化器センター、糖尿病センターを開設し、ものわすれ外来や肥満外来など、一般の皆さまの診断・治療にも力を入れております。さらに、兵庫県のがん拠点病院に準ずる病院としてがん診療にも積極的に取り組むとともに、脳卒中や大腿骨頸部骨折の地域連携パスを通じて近隣医療機関との連携を深め、地域医療の発展にも大きく貢献しております。
当院は、紹介受診重点医療機関として、「医療資源を重点的に活用する外来」を地域で基幹的に担う医療機関に認定されています。患者さんには、まず地域の「かかりつけ医機能を担う医療機関」を受診していただき、必要に応じて紹介を受けて当院を受診していただきます。そして、病状が安定した後には地域の医療機関へ逆紹介し、継続的な診療を受けていただく仕組みとなっております。なお、紹介状をお持ちでない場合には追加のご負担をお願いすることになりますので、ぜひ紹介状をご持参のうえ受診いただきますようお願いいたします。
今後は、いわゆる2040年問題として、人口減少と高齢化の進行に伴い、医療提供体制へのさらなる備えが必要になるといわれています。当院では病院での診療だけでなく、訪問看護ステーションや訪問リハビリテーションなど、患者さんのもとへ伺う医療体制の充実にも努めてまいります。そして、一般医療(内科・外科)の機能を併せ持ちながら、セーフティーネット系医療の一翼を担う病院として、「中央病院」の名に恥じることなく兵庫県下の中心的病院であり続けたいと考えております。また、スタッフ一人ひとりが働く喜びを実感できる医療機関となることで、当院をご利用いただくすべての方々に、サイエンス・アート(科学・技と心)の医療を提供してまいります。
地域の皆さまから信頼され、期待される兵庫中央病院であり続けるため、猛暑に代表される気候変動や自然災害、さらにはパンデミックについても「起こり得るもの」との認識を持ち、不断の備えと対応に努めてまいります。今後とも変わらぬご支援、ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
令和8年7月 兵庫中央病院 院長 藤原英利








