令和7年新しい年を迎えました。昨年の元旦に多くの被害が発生した能登半島地震から1年です。被災されました皆さまには1日でも早い復興をお祈りいたします。
また、我々が経験いたしました阪神淡路大震災より30年となり、当院でも震災を実体験として知らないスタッフが多数となっています。日本が壊滅的な状態となった第2次世界大戦の終戦から80年となりますが世界では戦争がなくなる気配はありません。平成から令和となっていますが、不適切にもほどがあると再注目された昭和の100年を迎える年です。平穏で平和な1年であることを希望してやみません。
私ども兵庫中央病院は、国立病院機構発足時よりセーフティーネット系医療(神経・筋難病、筋ジストロフィー、重症心身障がい、結核など一般病院では治療継続が困難な疾患)を中心に医療を提供してまいりました。これらの分野においては専門医療を行う兵庫県下の拠点病院として広く認知され、広く内外からの信頼を得ているものと自負しております。一方、認知症センター、消化器センター、糖尿病センターを開設して、一般の方の診断治療にも重点を置いております。兵庫県のがん拠点病院に準ずる病院として、がん診療にも取り組み、脳卒中や大腿骨頸部骨折の地域連携パスなどを通して近隣医療機関との相互連携も確立し、地域医療にも大きく貢献しております。
また、当院は紹介受診重点医療機関として「医療資源を重点的に活用する外来」を地域で基幹的に担う医療機関として認定されております。患者さんがまず地域の「かかりつけ医機能を担う医療機関」を受診し、必要に応じて紹介を受けて当院を受診いただく、そして状態が落ち着いたら逆紹介を受けて地域に戻っていただくように位置づけされた病院です。そのため、当院を受診される患者さんが紹介状をお持ちでない場合は今まで以上の経済的負担をお願いすることになりますので、是非とも紹介状を持っての受診をお願いいたします。
今後も当院は、一般医療(内科、外科)の機能を兼ね備えた、セーフティーネット系医療の一翼を担う兵庫県下の中心的病院として邁進し、当院を利用されるすべての方々にサイエンス・アート(科学・技と心)の医療を提供し、地域のみなさまに信頼され、期待される兵庫中央病院としてあり続けられるよう、自然災害やパンデミックはおこるものという認識を持って、対応努力する所存でございます。今年もよろしくお願いいたします。
令和7年 1月
兵庫中央病院 院長 藤原英利 |